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足尾銅山 (Ashio douzan)

キービジュアル
フィールド 足尾銅山
アクセス 〒321-1514 栃木県日光市足尾町通洞9-2 [MAP]
電話番号 0288-93-3240
URL https://ashio.org/ashiospot/douzankanko.html
利用期間 無休
9:00〜16:30
駐車場 有り(約100台)
料金 大人:820円
小・中学生:410円
活動日 2015/10/10 |
ここが良い! 約400年続いた足尾銅山の歴史や年代ごとの作業風景を肌で感じることができる。
一部区間トロッコらしきものに乗って外界から暗い内部へゆっくりと数100mほど進めるのでアドベンチャー気分満載。
採掘現場見学や、採掘により生産された銅による寛永通宝を造る行程なども資料として多く展示されている。
体験記 栃木県は足尾市にある「足尾銅山」へ行ってきた。
前日サバイバルキャンプを経ての鉱山観光なので愉しさ2倍である。
前々からキャンプを計画していた仲間が急きょ合流したため、
いきなり2家族での宴が始まる。
ちょっぴり肌寒い10月の栃木だが、初めて一緒にキャンプが出来て
とても愉しかった。

さかのぼる事400年前。
当時から貴重な金属である「銅」を採掘していたこちらの山は
このような名前で呼ばれるようになり
現在では、観光地として「足尾銅山跡」として内部をめぐる事ができる。
日本の「銅」の産出量が全盛期で40%もこの山から出ていたというから驚きである。

もはや銅の塊のようなこの山は、どこを掘っても楽勝で銅が出て
ウハウハなもんだと思ってしまうが、いざ中に入ってみると、
そこにはとても現代では考えられないような過酷な労働体制があった。

中には本物の鉱山、そしてリアルなマネキンによる
当時の採掘方法などが再現されているのだが
私が特に印象に残ったのが、「江戸時代」の採掘方法とその労働環境。

負夫(おいふ)または坑夫(こうふ)と呼ばれるこの鉱山の採掘者は
まぁ見てくれからいきなり凄まじいものがある。
ほぼ着ていないに等しい薄い布を身にまとい、
頭にはほっかむり、足は履いているのかもわからないぐらいのペラッペラのわらじ。
そんな出で立ちで、手にはハンマーと大きな杭。
え・・・まさかそれで鉱山の採掘を?!

辺りは暗く、常時ジメジメとして場所によっては水びたしになっている所もある。
これだけの劣悪な環境、これだけのちっぽけな装備で、少しずつガツガツと固い石を崩して
銅の採掘を行うのが当時の彼らの仕事だったのである。
これで、食べ物を買い、これで家族を養ってきた事を想像するとなかなか壮絶である。
技術発展の乏しい時代ゆえに、過酷な鉱山での労働は賃金も良かったのか
自ら志願して採掘に来る者も多かったとか。

とはいえ、決しておいしい仕事ではない。
現代でも、鉱山の採掘やトンネル開発にはガスや落盤により多くの犠牲者が出ているが
この足尾銅山においても同様、過去に多数の死者が確認されている。
採掘を再現した各エリアを歩いていると、何かもの悲しげな空気を感じる事ができるのは
決して内部の気温だけのせいではないように思えた。
ストイックに目の前の鉱山に向かって杭を打つリアルなマネキンを見ていたら
情が移ってしまったのか、何故か胸がつまった。

先に進むにつれ、エリアが近代的になっていくのだが
明治・昭和の頃には流石にそれなりの恰好と機械による採掘が再現されていたので
どこかほっとした。(ようやくまともな恰好で働いてる姿だったので)
この時点でもまだ、ほっかむりをして素手による採掘を行っていたら驚きである。
再現とはいえ、もう機械で掘らせてあげて!と叫んでしまっていたかもしれない。

坑内を抜けると「銅もありがとう」の看板。
きっと当時こんな冗談はいえたもんじゃなかったはずだ。

基本、坑内観光のこの施設は天候が悪くても愉しめるため
いつでも気軽に行くことができる。
まだ未体験の方は、是非今度の休日にでも探検してみては銅だろうか。

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