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千畳敷カール(Senjojiki Cirque)

キービジュアル
フィールド 千畳敷カール
ルート 1:「管の台バスセンター(850m)」→ここからバス
2:「しらび平駅(1662m)」→ここからロープウェイ
3:「千畳敷カール(2612m)」→ここから徒歩
4:「宝剣岳(2931m)もしくは木曽駒ヶ岳(2956m)」
アクセス 〒399-4117 長野県駒ヶ根市赤穂759-489(中央アルプス観光) [MAP]
難易度 ★★★☆☆
標高 2931m(宝剣岳)
往復時間 約4.5時間
登山日 2016/9/10 |
千畳敷カールとは ・カールとは。
谷の斜面にできた円形のくぼみ、急な崖と平らな底とで形成される地形の事を差し、
まさにあのお菓子の「カール」のようにグルっとしている崖の事をこの様に呼ぶ。
その他「圏谷(けんこく)」と記述されることもある。
そして「千畳敷」とは「畳千枚を敷けるほどの平らなスペース」という事。
ちなみに「千畳敷」という表現は、長野県以外にもあらゆる場所で
この呼び名の地名が存在している。
ここが良い! まるで国外にいるような絶景を堪能できる。
山の景色というより、カール(圏谷)の絵に圧倒されること間違いなし
アクセスも簡単なので登山をせずともロープウェイでいきなり絶景と出会える。
体験記 今回我々が目指す目的地は、
こちら長野県駒ヶ根市から望める「千畳敷カール」。
この千畳敷カールから挑む「宝剣岳(標高2931m)」を踏破するのが本日の目的。

時速25kmの速度でロープウェイに揺られる事約7分。
「マイカー」→「バスセンター」→「千畳敷カール」と
ここまで非常にスムーズに来ることができる。

ロープウェイから降り、いざ「宝剣岳」へ!と意気込んだその地の気温は20℃程度。
直後、この一発目に飛び込んでくる景色に声を上げない者はいないだろう。
視界を独占されるこの異質な光景はもはや国外にいるような感覚にさえ陥る。
非常に絶景である。

この日は抜群に天気が良く、
日差しも強かったため体感温度は25℃ぐらいに感じた。
登山日にはもってこいの体感温度でまさに最高のコンディション。
登山におけるこの「天候」というのは非常に重要で、いくら体調や装備が万全であっても
この「天候」が最悪だと、他のGOODが全てBADになるぐらいの絶望感にやられる。
「晴れた日なら登れた山なのに・・」という経験は、
私に限らず多くのハイカーが体験している事ではないだろうか。
そう、この「晴天」は決して当たり前の事ではない。

そんな青空の下、登り続ける事約1時間30分。
ようやく「中岳」(中間地点)に到着。
そこから若干歩くと「宝剣山荘」と呼ばれる山小屋があるのでこちらで一服。

山小屋では水・食事・ガスなどの物資が補給できる。
トイレも設営されているので必ず寄っておこう。
利用料を払うのを忘れずに。

しっかり水分補給をし、目の前にそびえる「宝剣岳」を見据えいざ出発!
それほど傾斜はきつくないので、ゆっくり景色を愉しみながら頂上を望む事ができる。
途中、遠くに見えるのが、つい2年前の今頃、噴火したばかりの「御嶽山」
水蒸気爆発が起き、山頂付近にいた多数の登山客を襲ったあの惨劇の山は
未だ物々しく煙を上げている。恐るべし活火山。

道中、だんだんとキツイ傾斜になってくると、流石にトレッキングポールは邪魔になる。
難易度は、アスレチック山を代表する「妙義山」や「谷川岳」程ではないが
随所に構える鎖場、油断すると間違いなく滑落死するであろう強烈な傾斜の崖。
ここまでのアプローチは結構スリルがあって愉しい。

基本、岩肌に身体を傾け、時間をかけて慎重に登り続けていけば
誰でも踏破できる山ではあるが
一か所強烈に足場の悪い断崖絶壁のスポットを通過しなければならない場所がある。
5〜6mほどの距離に鎖が渡されてあり、
露出した岩のみを伝って向こう側へ渡る場所がある。
この渡りのスペースがとにかく狭い。
大人1人が渡り終えるまで次の人が待っていなければならないぐらいの狭さ故に
行き、帰り組、双方からの「渡り待ち」的な時間が発生する。

下は落ちたら死亡確実の高さ。
慎重に足場を確保し、数分かけて登った先に見えるは「宝剣岳山頂」。

来た!とうとう来た!
ついでにこの宝剣岳の見どころとも呼べる絶景スポットに登り記念撮影。
この日は人も多く山頂が混みあっていたのでこのスポットに素早くのぼりこみ、
わずか50〜60cmたらずの最後の足場に立ち登頂記録を収めた。
この時点で標高は2931m。

正直足がすくむ程の怖さなので、特にここまでやる必要はないだろうが
せっかくなのでという方は是非この場所に立って記念撮影をしてみてほしい。
いつものようにジャンプしての静止画を記録しようかとも迷ったが、
生前最後の静止画になる可能性があるので今回は自粛した。
転がっていた柱標の一部らしきものを拾い上げ「宝剣岳踏破」を祝う。
(下が割れているため読みずらいが宝剣岳2931mとある)

撮影も終え、大パノラマを堪能した後はいよいよ下山。
アスレチック要素が多いこのような山で最も気を付けなければならないのが
下山時の滑落事故である。

ここ「宝剣岳」においてもそれは同様、三点支持(三点確保)の技術は必須で、
最低でも自分の体重を腕力で支えられるぐらいの力がないと
何かアクシデントがあった時には対処できないかもしれない。

ゆっくりと足場を確保し、慎重に慎重に来た道を下り、
先ほどの「宝剣岳山荘(山小屋)」へ戻る事ができた。
やはり下山は登りの緊張感とは別格の怖さがある。
下山の無事を祝い、それぞれ身に着けた誕生石を祝福。

そして本日2番目の愉しみ山飯の時間!
ジェットボイルとクッカーで三人分のお湯を沸かし、
宝剣岳登頂を称え、それぞれの達成を語り合う。
冷えたビールと、山での食事を愉しむこの時間が至福だ。

登山時必須の食糧、「トマト」。
保管は難しいが、必ず持ってきて是非山頂で食べたい一品。
生でかぶりつき、塩をかけて食う。ただそれだけのものだがこれがまぁうまい。
疲労した体に適した食糧なのだろうか、体中に必要な栄養素が染み渡る感じがある。
登山におけるこのトマトはもはや必須の食糧である。

しっかりと空腹を満たし、ロープウェイまで歩くこと約1時間。
一同無事に最終下山地点まで辿り着く事ができた。
いやー愉しかった。

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