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谷川岳(Mount Tanigawa)

キービジュアル
フィールド 谷川岳
ルート 土合口駅〜天神平駅〜熊穴沢避難小屋〜トマの耳
アクセス 新潟県南魚沼郡湯沢町土樽 [MAP]
難易度 ★★★★
標高 1977m(オキの耳)
往復時間 約6時間
登山日 2012/10/27(リタイア) | 2013/10/6 |
谷川岳とは 群馬県と新潟県の県境にある日本百名山のひとつ。
山頂はトマの耳(標高1,963m)/オキの耳(標高1,977m)と呼ばれる二峰の山頂がある。
標高2000mにも満たない山だが、複雑な地形と、急こう配の悪路に加えて、
天候の変化も激しいため、遭難者の数は世界のワースト記録として
ギネス認定されているほど難易度の高い山。
「魔の山」「人喰い山」「死の山」などと呼ばれるほど
数多くのハイカー・クライマーが死亡している。
ここが良い! どの季節に足を運んでも最高の景色が待っている。
ロープウェイから登った場合、道中はひたすら尾根沿いを歩いていくため、
歩行中、それはもう目に入る全ての景色が美しい。
中盤から後半にかけて突如、高難易度な箇所がいくつもあるので
危険かつ・経験者のみが攻略できる本格登山を味わう事ができる。
体験記 ロープウェイでうっすら紅葉がかった山々を見ながら天神平駅に到着。
降りたそこは一面真っ白なガスに覆われ、昼間にもかかわらず3m先が見えない状態に。
いきなり魔の山の洗礼を受ける。

登山道はなだらかで、道中も疲れる印象はなかったが、
まぁ見えない。先が見えない。
雨は降っていないのに体中は霧でびしょびしょになり、
気が付けば足元はぬかるみばかりの道になっていく。

相当な距離を歩いているかのように思えたが、
位置を確認するとまだ全体の1/3程度の距離。
パーティ内に子供もいたため、これは危険と判断し、下山を決める。

特別谷川岳は難易度が高い山と知っていただけに、山頂の景色はどうしても拝みたかった。
しかし安全には変えられない。屍となる前に引き返して正解だったかもしれない。
この山は必ず万全の状態で再挑戦しようと思う。
魔の山攻略までしばしお待ちを。

体験記2 前回のリタイヤから1年後、この山に登るのは2度目。
たとえリベンジだろうと無理だけはしないようにと事前に打ち合わせ、いざ登山開始。

AM9:20天神平に到着。
前回とは打って変わって、なかなかいい天気だがややガスっている。
気温も10月とは思えないほど暖かく、これはいけると意気込み
良いペースで歩くこと約1時間。
なんというかあっという間に「熊穴沢避難小屋」に到着。
「熊穴沢避難小屋」から、ひたすら歩き続けていると
この山の難所でもある鎖場が数か所登場。
このあたりからだいぶガスがかり、全身しっとりと濡れ始める。

「肩ノ小屋」からすぐに山頂である「トマの耳」に到着。
谷川岳は気象変化の激しい山のため、ガスは晴れず
しかし日差しは強いという訳のわからない天候だったが気分は爽快。
ようやくリベンジを果たした。

「肩ノ小屋」では給水・食事はもちろん、宿泊もできる。
(素泊まり2,000円/寝具代1,500円/食事3,500円)
水・カップラーメン・スナックなどの軽食を販売しているので
日帰り登山なら物資補給としてこの山小屋を利用するのも良い。

今回山小屋の利用はせず、各々持参してきた食事を愉しむ。
ランチはやっぱりイナバのグリーンカレー。
このためだけに登ってきたといっても過言ではない。
100人乗っても大丈夫などと言いながらカレーをほおばる友人に
つっこみをいれる元気はあいにくこの時には残っていなかったが、
クッカーで温めたグリーンカレーとホットコーヒーを飲み
疲労した身体を岩場にあずけ、山頂からの景色を堪能した。
最高である。

ランチを終え、山頂で記念写真を撮った後、下山。
今回もうひとつの山頂である「オキの耳」までは時間の都合でいけなかったが、
こちらは来年の夏の愉しみとしてとっておく。
下山時、ロープウェーの時間を気にしながらやや足速に歩いていて気づいたが
この山は下山にこそ真の危険が潜んでいる。

急勾配の鎖場を登ってきたという事は、
当然全く同じ勾配の急斜面を下りなければならず、
この鎖場の鎖は下山にこそ真の恩恵があることに気付いた。

もはやこのレベルの斜面ではストックは邪魔にしかならず
グローブをはめた両腕のみに生命を預けざるを得ない。
そうこうしているうちに次第にポツポツと雨が降ってきて
更に霧は濃くなっていき、足場の悪さは最悪となる。
濡れた足場に急勾配の岩場、強烈な濃霧に襲われながらも、
仲間の絶妙な状況判断のおかげでなんとか無事に下山することができた。
この時PM16:30である。

「魔の山」谷川岳。
最高の景色に恵まれて登頂できるのは稀と聞くだけに
何度もチャレンジしがいのある素晴らしい山であることを体験できた。
色とりどりの紅葉と、美しい高山植物を愉しめるこの山は
危険こそあるが、まさに「魅了される山」と呼ぶにふさわしい。
日本百名山の名は伊達ではなかった。
次回登山時は、この日より更に最高のコンディションで臨もうと思う。

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